SNS集客で最初に決めるのは、何を投稿するかではありません。先に決めるのは「増やしたい行動」「その行動を受け止める場所」「月に出せる本数」の3つです。この3つが決まってから媒体を選ぶと、人も時間も限られた会社でも運用が止まりにくくなります。この記事では、その3つの決め方と、媒体の選び方、そして始める前に置いておきたい「3か月後の判断基準」までを順番に整理します。
まず、SNSが集客のどこを担当しているかを確認しておきます。SNSは知ってもらう入口で、比較や申し込みは別の場所で起きます。
SNSで知り、検索で調べ、受け皿となるページを読み、問い合わせや来店に至る流れ
最初に決めるのは、投稿内容ではなく3つ
SNS集客で最初に決めるのは投稿内容ではなく、増やしたい行動、受け皿、月に出せる本数の3つです。
「どのSNSをやるべきか」「週に何回投稿すればいいか」を考える前に、目的と受け皿を決めます。先に媒体を決めてしまうと、その媒体が求める制作量に社内の体制を合わせることになり、数か月で止まりやすくなります。
増やしたい行動、受け皿、月に出せる本数の順に決める3ステップ
順番にはもうひとつ意味があります。①と②が決まっていれば、SNSがうまくいかなかったときに「投稿が悪かったのか」「受け皿が弱かったのか」を切り分けられます。この切り分けができない状態で運用を続けると、改善の打ち手が「もっと投稿する」しか残りません。
ポイント
「とりあえず始めて、走りながら考える」進め方が向くのは、担当者が専任でいる場合です。他の業務と兼務している場合は、始める前の30分で3つを決めておくほうが、結果的に早く進みます。
① 増やしたい行動を1つに絞る
最初に決めるのはフォロワー数ではなく、SNSを見た人に取ってほしい行動を1つに絞ることです。
フォロワー数や「いいね」の数は、増えると分かりやすく、社内でも報告しやすい数字です。ただ、その数字が増えたことと、会社の売上が増えたことは別の話になりがちです。フォロワーが3,000人いても、その大半が商圏の外に住んでいれば、来店にはつながりません。
そこで、次のように「行動」を主役の数字に置き換えます。
フォロワー数を基準にした運用と、増やしたい行動を基準にした運用の比較
同じ運用でも、見る数字を変えると打ち手が変わる
数を増やすことが目的になる
- フォロワー数と「いいね」を毎週報告する
- 伸びた投稿の傾向だけを追いかける
- 数が伸びない月に施策を足したくなる
- 売上との関係を説明できない
増やしたい行動から逆算する
- プロフィール閲覧数と遷移数を見る
- 予約ページ到達・友だち追加を数える
- 伸びない月は受け皿側も点検する
- 「何件につながったか」で話せる
増やしたい行動は、業種によって変わります。店舗であれば来店や予約、BtoBのサービス業であれば資料請求や問い合わせ、物販であればオンラインストアへの遷移や購入です。ここで大事なのは、複数を同時に狙わないことです。行動が2つ以上あると、プロフィールに置くリンクも、投稿の締めくくり方も分散します。
行動を1つに決めたら、その手前の数字を2つだけ選びます。たとえば「予約を増やす」なら、プロフィールの閲覧数と、予約ページへの遷移数です。この2つが動いていて予約が増えないなら、予約ページの内容や操作、訪問者とサービスの相性を確認します。プロフィール閲覧が動いていないなら、投稿の表示数とプロフィールへの案内から見直します。数字だけで原因を断定せず、次に確認する場所を絞るために使います。
ポイント
社内で「フォロワー1万人」といった目標がすでに設定されている場合、いきなり取り下げる必要はありません。フォロワー数は補助的な数字として残したうえで、報告の1行目を「今月の問い合わせは何件」に変えるところから始めると、社内の理解を得やすくなります。
行動が決まると、届ける相手も決まる
多くの解説では、目的の次に「ペルソナを細かく設定する」という手順が置かれています。年齢、職業、家族構成、休日の過ごし方まで作り込む方法です。ただ、兼務の担当者が1人で運用する場合、この作業は時間がかかるわりに投稿の判断に効かないことがあります。
行動を1つに決めたあとであれば、届ける相手はもっと短く書けます。必要なのは次の3つです。
- どんな場面で困っている人か:「急に予定が空いた」「引っ越してきたばかりで店を知らない」など、行動の直前に起きていること
- 何が決め手になるか:価格、営業時間、駐車場の有無、実績、担当者の顔が見えるかなど
- 何が止めているか:高そう、初めてで入りにくい、自分に合うか分からない、といった不安
この3つが書けていれば、投稿のネタに迷ったときの判断ができます。「この投稿は、決め手を伝えているか。それとも不安を消しているか」。どちらでもない投稿は、後回しにして構いません。
属性の作り込みが役に立つのは、複数人で運用していて判断がばらつく場合です。1人で回している間は、上の3行から始めるほうが手が動きます。
② SNSを始める前に、受け皿を決める
SNSは入口で、申し込みや予約を受け止めるのは受け皿側です。始める前に、行き先を1つ決めておきます。
投稿を見て興味を持った人は、そのままでは申し込みません。多くの場合、社名やサービス名で検索し直したり、プロフィールのリンクを踏んだりして、詳しい情報を確認します。このとき飛び先がトップページのままだと、興味を持った人が自分で目的のページを探すことになります。ここで離れてしまうのは、投稿の質とは関係のない取りこぼしです。
受け皿として使える場所は、大きく3つあります。
| 増やしたい行動 | 主な受け皿 | 先に整えておくこと |
|---|---|---|
| 問い合わせ・相談 | ホームページのサービスページ | 料金の考え方、実績、問い合わせフォームの項目数 |
| 予約・来店 | 予約ページ、Googleビジネスプロフィール | 営業時間、写真、地図、口コミへの返信 |
| 再来店・リピート | LINE公式アカウント | 友だち追加の導線、最初のあいさつメッセージ |
ホームページ側が受け皿になる場合、投稿を増やす前に確認しておきたいのが、そのページで問い合わせが起きる状態になっているかどうかです。アクセスが増えても反応が変わらない場合、原因が入口側ではなくページ側にあることがあります。切り分けの手順はホームページから問い合わせが来ない時に見直す5つのポイントにまとめています。
来店型のビジネスであれば、SNSと同時にGoogleマップ側の情報も見られます。営業時間が古いまま、写真が数枚のままだと、SNSで興味を持った人が最後の確認で止まってしまいます。整え方はMEO対策 完全ガイドで扱っています。
LINEを受け皿にするなら、無料枠の数え方を先に知っておく
リピートを増やしたい場合、LINE公式アカウントは有力な受け皿になります。ただし、始める前に知っておきたいのが、メッセージ通数の数え方です。見落とされやすい部分ですが、友だちが増えたときに費用が変わる分岐点になります。
LINEヤフー株式会社の公式サイトによると、料金プランは3つで、無料メッセージの通数が異なります。
| プラン | 月額固定費 | 無料メッセージ | 追加メッセージ |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 200通 | 不可 |
| ライトプラン | 5,000円(税別) | 5,000通 | 不可 |
| スタンダードプラン | 15,000円(税別) | 30,000通 | 3円/通(税別)を上限に配信数で変動 |
出典 LINEヤフー株式会社「LINE公式アカウント料金プラン」(2026年8月11日閲覧)
注目したいのは、通数の数え方です。公式サイトでは、1回に配信できるメッセージは最大3吹き出しまでで、「メッセージを送った回数」×「送った友だちの数」を通数としてカウントすると説明されています。
つまり、無料の200通は「200回配信できる」ではありません。友だちが50人いる状態で月4回配信すると、50×4で200通となり、無料枠を使い切る計算になります。友だちが200人に増えれば、月1回の配信で200通です。
ポイント
この計算を先に知っておくと、「友だちを増やす施策」と「配信の頻度」をセットで設計できます。友だちを集めてから配信計画を考えると、想定していなかった固定費が後から乗ってきます。なお、一斉配信以外のやり取り(チャットの個別送受信や自動応答など)は扱いが異なるため、詳細は公式サイトの最新の記載をご確認ください。
③ 月に出せる本数を、時間から逆算する
投稿頻度は理想から決めず、月に使える時間を1本あたりの制作時間で割って本数を出します。
「週3回は投稿したほうがいい」「毎日更新が理想」といった目安は多く見かけますが、この形で決めると、最初の1か月は達成できても、繁忙期に止まります。止まった投稿は再開の心理的なハードルが高く、そのままアカウントが放置されることがあります。
そこで、次の順番で本数を出します。
- 1本作るのにかかる時間を1回だけ測る:企画、撮影または素材集め、文章、確認、投稿までを通しで1本やり、実際にかかった時間を記録します
- 月にSNSへ使える時間を出す:担当者の業務時間のうち、他の業務を削らずに割ける時間です。ここは希望ではなく実績で置きます
- 割る:月に使える時間 ÷ 1本あたりの時間 = 無理のない本数です
| 項目 | 例A:写真中心の投稿 | 例B:短尺動画 |
|---|---|---|
| 1本あたりの制作時間 | 40分 | 150分 |
| 月に使える時間 | 6時間(360分) | 6時間(360分) |
| 無理なく出せる本数 | 月9本 | 月2本 |
| 判断 | この本数で運用を組める | 本数が足りない。外注か媒体変更を検討 |
例Bのように本数が足りない結果が出たとき、選択肢は3つあります。投稿の作り方を軽くする(撮影を1日にまとめて数本分を撮る、テンプレートを用意する)、制作の一部を外部に出す、あるいは自社が続けられる別の媒体に変える、です。ここで「気合いで本数を増やす」を選ばないことが、半年後に運用が残っているかどうかを分けます。
ポイント
この計算で出た本数は、あくまで社内の体制から導いた上限です。その本数で成果が出ることを保証するものではありません。3か月ほど続けて数字を見たあと、本数と成果の関係を実測値で確かめてください。
本数が決まったら、投稿の中身は3種類に固定する
本数を決めても、「何を投稿するか」を毎回ゼロから考えていると、1本あたりの時間が伸びて計算が崩れます。そこで、投稿の型を3種類だけ決めて、そこに当てはめる形にします。
| 型 | 内容 | 担う役割 |
|---|---|---|
| 実績・事例 | 施工前後、当日の様子、お客様の声 | 決め手を伝える(信頼材料) |
| 疑問への回答 | よく聞かれる質問に1投稿で答える | 不安を消す(価格、流れ、期間) |
| 案内・お知らせ | 空き状況、キャンペーン、新メニュー | 行動のきっかけをつくる |
3種類に固定すると、ネタ出しの時間が短くなるだけでなく、投稿の効果を比べられるようになります。「実績の投稿は保存されるが、案内は反応が薄い」といった傾向が見えたら、比率を変えます。型がばらばらだと、伸びた理由が内容によるものか、投稿した時間帯によるものかを切り分けられません。
なお、売り込みの案内だけが並ぶ状態は避けたほうが読まれ続けます。3種類のうち案内は多くても3本に1本に留め、残りは決め手を伝える投稿と不安を消す投稿に充てる配分が扱いやすいです。
媒体は「顧客がいるか」と「続けられるか」で選ぶ
媒体は流行りではなく、顧客がいるかと自社が続けられるかの2つが重なる場所を選びます。
まず「顧客がいるか」の目安として、全体の利用状況を確認しておきます。総務省情報通信政策研究所が令和8年6月に公表した令和7年度の調査では、主なソーシャルメディア系サービスの利用率(全年代)は次のとおりでした。
| サービス | 利用率(全年代) |
|---|---|
| LINE | 92.9% |
| YouTube | 81.5% |
| 54.8% | |
| X(旧Twitter) | 44.7% |
| TikTok | 36.7% |
| 27.0% |
出典 総務省情報通信政策研究所「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和8年6月26日公表)(2026年8月11日閲覧)
この調査は13歳から79歳までの男女1,800人を対象に、令和7年12月1日から7日にかけて訪問留置調査で実施されたものです。全年代の平均値であり、自社の顧客層と一致するとは限らない点にはご注意ください。あくまで「その媒体に人がいるかどうか」の出発点として使います。
次に、媒体ごとに担える役割が違います。同じSNSでも、知ってもらう役割に強い媒体と、一度接点を持った人との関係を続ける役割に強い媒体があります。
| 媒体 | 担いやすい役割 | 制作の負荷 |
|---|---|---|
| 商品や店舗の雰囲気を見せる、事例を並べる | 写真の準備が中心。動画(リール)を足すと上がる | |
| TikTok | まだ自社を知らない人に届く機会をつくる | 撮影と編集が前提。出演者の確保も要る |
| YouTube | 検討中の人に判断材料を渡す、専門性を示す | 1本が長く、企画と編集の負荷が高い |
| X(旧Twitter) | 考え方や最新情報を継続的に届ける | 文章中心で低め。ただし頻度が要る |
| BtoB、地域のつながり、既存の関係を保つ | 文章と写真が中心で低め | |
| LINE公式アカウント | 一度接点を持った人の再来店・再購入 | 配信文が中心で低め。友だち集めの導線は別途必要 |
この2つを重ねると、選ぶ媒体はかなり絞られます。たとえば、顧客層は40代以上でInstagramにもいるけれど、撮影も編集もできる人が社内にいない、という場合。TikTokは条件を満たしません。写真中心のInstagramか、文章中心のFacebookのほうが、同じ時間で続けられます。
媒体を先に決める順番と、月の本数を先に決める順番の比較
媒体の決め方を、どちらの順番でやるか
媒体を先に決める
- 伸びている媒体を選ぶ
- その媒体の推奨頻度に合わせる
- 体制が追いつかず本数が落ちる
- 数か月で更新が止まる
本数を先に決める
- 月に出せる本数を先に確定させる
- その本数で回る媒体だけを候補にする
- 1媒体に絞って3か月続ける
- 回るようになってから広げる
最初は1媒体に絞ることをおすすめしています。2媒体を同時に始めると、本数が半分ずつになり、どちらも判断できるだけのデータが溜まりません。1媒体で回るようになってから、役割の違う2つ目(たとえばInstagramに対してLINE)を足す形が扱いやすいです。
最初の1か月の実行・記録シート
最初の1か月は、投稿から申し込みまでの経路と、担当者が無理なく作れる本数を確かめる期間にします。以下は編集部が作成した記入例です。実在企業の成果事例や、成果が出るまでの標準期間を示すものではありません。
| 決めること | 予約制の店舗の例 | 自社の記入欄 |
|---|---|---|
| 増やしたい行動 | 初回の来店予約 | ____ |
| 届ける相手と不安 | 近所で店を探し、初回料金を知りたい人 | ____ |
| リンク先 | 初回料金と空き枠が分かる予約ページ | ____ |
| 使える時間 | 月6時間のうち、確認・返信に2時間、制作に4時間 | 月__時間/制作__時間 |
| 投稿本数 | 試作1本に60分かかったため月4本 | 1本__分/月__本 |
| 確認する数字 | プロフィール閲覧、リンクのタップ、予約件数 | ____ |
| 担当・確認日 | 担当者を決め、月末に記録を比較 | 担当__/確認日__ |
制作時間だけで予定を埋めず、返信や数字の確認にも時間を残します。上の月4本という数字は、制作に使える240分を1本60分で割った計算例です。目標の投稿頻度ではありません。
- 1週目:行き先を整えて、1本試作する。 スマホでプロフィールから予約・問い合わせまで進めるかを確認し、試作にかかった時間を測ります。
- 2週目:質問に答える投稿を出す。 例は「初回はいくらかかるか」。本文の説明とリンク先の料金が一致しているかを見ます。
- 3週目:判断材料を出す。 店内やサービスの流れを紹介します。実績やお客様の声を載せる場合は、内容の事実確認と掲載許可を先に済ませます。
- 4週目:数字と制作時間を記録する。 本数を増やす前に、予定内で作れたか、リンク先が読まれたか、実際の予約・問い合わせがあったかを分けて見ます。
数字が動かないときは、確認する場所を分ける
表示、リンクのタップ、申し込みを分けて記録すると、次に確認する場所を絞れます。少数のアクセスだけで、媒体の向き不向きや施策の効果を決めつけないことも大切です。
| 見えている状況 | 先に確認すること |
|---|---|
| 投稿の表示が少ない | 公開設定、投稿の継続、届けたい相手に合う題材。リンク先だけを直しても届き方は判断できません。 |
| 見られるがリンクが押されない | プロフィールで何を提供する会社か伝わるか、リンク先を読む理由があるか。 |
| サイトには来るが申し込みが少ない | 投稿とページ内容の一致、価格・対象者・手順、スマホでのフォーム操作。 |
| 解析上は成果がゼロ | 計測の設定と、実際の予約台帳・問い合わせ受信を照合。未計測を実績ゼロと扱わないようにします。 |
サイトでGA4を使っている場合は、外部に出す記事リンクにUTMという目印を付けると、告知ごとの流入を区別できます。例えば、参照元を「threads」、媒体を「social」、キャンペーンを「sns_start_20260905」として揃え、トラフィック獲得レポートの「セッション参照元/メディア」と「セッション キャンペーン」で確認します。サイト内の関連記事リンクにはこの目印を付けません。
出典 Google アナリティクス ヘルプ「カスタムURLでキャンペーンデータを収集する」(2026年9月5日閲覧)
すでにフォロワーがいるのに申し込みが増えない場合は、フォロワーが増えても売上につながらない理由で経路を確認できます。リンク先のページを見直す場合は、ホームページの問い合わせを増やすにはを使って、説明とフォームの順に点検してください。
3か月後の判断基準を、始める前に決めておく
始める前に、3か月後に何を見て「続ける・変える・やめる」を決めるかを書き出しておきます。
SNS運用が社内で肩身の狭いものになる原因の多くは、成果が出ないことそのものではなく、成果の有無を判断する基準が最初になかったことです。基準がないと、うまくいっていないときに「もう少し続ければ」と延ばすか、感覚で打ち切るかの二択になります。
判断基準は、次の3行を書いておけば足ります。
| 判断 | 条件の書き方の例 | 次にやること |
|---|---|---|
| 続ける | 予約ページへの遷移が毎月増えている | 本数は変えず、伸びた投稿の型を増やす |
| 変える | 遷移は増えたが予約が増えていない | 投稿ではなく受け皿(予約ページ)を直す |
| やめる・縮小する | 3か月とも遷移が動かない | 媒体を替える、または他の集客手段に時間を移す |
「やめる」を最初に書いておくことには、もうひとつ効果があります。撤退の条件が決まっていると、始めるときの心理的なハードルが下がります。期限のない取り組みは、社内の承認も得にくくなりがちです。
うまくいかないとき、原因は投稿より前にあることが多い
3か月経って数字が動かない場合、真っ先に疑われるのは投稿の質や頻度です。ただ、投稿を増やす前に、次の設計が整っているかを確認する必要があります。
- 増やしたい行動が決まっていない:報告がフォロワー数だけになり、良し悪しを判断できない
- 受け皿がない、または合っていない:プロフィールのリンク先がトップページのままで、興味を持った人が目的のページにたどり着けない
- 本数が体制に合っていない:最初の1か月だけ多く、その後が空白になっている
- 媒体を選んだ理由を説明できない:他社が使っているからという理由だけで選び、制作の負荷と合っていない
- 数字を見る日を決めていない:見るタイミングが決まっておらず、改善のきっかけが生まれない
この5つはいずれも、投稿の質を上げても解決しません。逆に言えば、始める前に3つを決めておけば、最初の4つは起きにくくなります。5つ目については、月に一度、数字を確認する日をカレンダーに入れておくだけで足ります。
止まってしまったアカウントを立て直す場合も、順番は同じです。投稿を再開する前に、増やしたい行動と受け皿を決め直してから、出せる本数に合わせて再スタートするほうが、二度目の停止を避けやすくなります。
SNSがうまくいかなかった場合の受け皿として、検索から見つけてもらう経路を並行して育てておく考え方もあります。SNSも検索も、公開後に継続して読まれる可能性はありますが、流入が続く保証はありません。検索からの流入は、インデックス状況と検索での表示・クリックを確認しながら育てます。進め方は中小企業のSEO対策 完全ガイドで扱っています。SNSを含めた集客手段全体の優先順位を整理したい場合は、中小企業のWeb集客 完全ガイドもあわせてご覧ください。
ひとつ、確認していただきたいことがあります。いま、SNSに月何時間を使えますか。この時間が答えられれば、出せる本数が決まり、選べる媒体が決まり、3か月後に何を見るかまで決まります。逆にこの数字が曖昧なままだと、どの媒体を選んでも同じところで止まりやすくなります。
まとめ:媒体より先に、続けられる形を決める
SNS集客は、投稿の質を上げる前に決めておくことがあります。今回のポイントを振り返ります。
- 最初に決めるのは投稿内容ではなく、①増やしたい行動 ②受け皿 ③月に出せる本数の3つ
- 増やしたい行動は1つに絞り、その手前の数字を2つだけ選ぶ。フォロワー数は補助的な数字として扱う
- 受け皿はSNSより先に整える。プロフィールのリンク先を「その投稿に対応するページ」にするだけでも取りこぼしが減る
- LINEを受け皿にするなら、無料の200通が「送った回数 × 友だちの数」で数えられることを先に知っておく
- 媒体は「顧客がいるか」と「自社が続けられるか」の2つが重なる場所を選ぶ。まずは1媒体に絞る
- 3か月後に「続ける・変える・やめる」を決める基準を、始める前に書き出しておく
まずは、1本作るのにかかる時間を測るところから始めてみてください。その1つの数字から、本数も媒体も判断基準も決まります。受け皿となるホームページ側の整理からご一緒することもできますので、現状の棚卸しからお気軽にご相談ください。
参考・出典(2026年8月11日時点で確認。数値・目安は各出典の記載および計算例に基づく参考値であり、成果を保証するものではありません)
- 総務省情報通信政策研究所「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和8年6月26日公表):主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率(全年代)がLINE 92.9%、YouTube 81.5%、Instagram 54.8%、X 44.7%、TikTok 36.7%、Facebook 27.0%であること、調査対象が13歳から79歳までの男女1,800人であること、調査対象期間が令和7年12月1日から12月7日であること
- LINEヤフー株式会社「LINE公式アカウント料金プラン」:3つの料金プラン(コミュニケーションプラン月額0円・無料メッセージ200通、ライトプラン月額5,000円(税別)・5,000通、スタンダードプラン月額15,000円(税別)・30,000通)の内容、1回に配信できるメッセージが最大3吹き出しまでであること、通数が「メッセージを送った回数」×「送った友だちの数」でカウントされること
※本文中の制作時間・本数の計算例はすべて仮の数字です。実際にかかる時間や成果は、業種・商材・体制によって変わります。料金プランの内容は改定される場合があるため、契約前に各サービスの公式サイトで最新の情報をご確認ください。
よくある質問
SNS集客は何から始めればいいですか?
投稿内容や媒体選びより先に、3つを決める進め方をおすすめしています。1つ目は、SNSを見た人に取ってほしい行動を1つに絞ること。2つ目は、その行動を受け止める場所(ホームページの該当ページ、予約ページ、LINEなど)を用意すること。3つ目は、月に何本まで投稿を作れるかを、実際に使える時間から逆算して決めることです。この3つが決まると、選ぶべき媒体と、見るべき数字が絞られます。逆にここが曖昧なまま投稿を始めると、数か月後に成果を説明できない状態になりやすくなります。
中小企業はどのSNSを選べばいいですか?
「顧客がいるか」と「自社が続けられるか」の2つが重なる媒体を選びます。利用者数の多さだけで決めると、撮影や編集の負荷が高い媒体を選んでしまい、数か月で止まることがあります。総務省の令和7年度調査では、全年代の利用率はLINEが92.9%、YouTubeが81.5%、Instagramが54.8%、Xが44.7%、TikTokが36.7%、Facebookが27.0%でした。ただしこれは全体の利用率であり、自社の顧客層と一致するとは限りません。まずは1媒体に絞って、続けられることを確かめてから広げる形が扱いやすいです。
フォロワー数は目標にすべきですか?
補助的な数字としては役に立ちますが、フォロワー数だけを目標に置くのは避けたほうが判断しやすくなります。フォロワーが増えても、その人たちが自社の商品を買う可能性がなければ売上には結びつきません。プロフィールの閲覧数、プロフィールからサイトへの遷移数、予約ページへの到達数、LINEの友だち追加数、来店や問い合わせの件数など、増やしたい行動に近い数字を1つ主役に置き、フォロワー数はその手前の参考値として見る形が実務的です。
SNSとホームページはどちらを先に整えるべきですか?
受け皿となるホームページ側を先に整えるほうが、同じ投稿でも結果が変わりやすくなります。SNSは知ってもらう入口で、詳しい説明や価格、実績、申し込みの手順を確認する場所はホームページ側だからです。プロフィールのリンク先がトップページのままだと、興味を持った人が自分で目的のページを探すことになり、そこで離れてしまうことがあります。リンク先を「その投稿に対応するページ」に変えるだけでも、手戻りの少ない改善になります。
投稿は週に何回すればいいですか?
決まった正解はありませんが、理想の頻度から決めるより、月に使える時間から逆算するほうが続きます。1本作るのにかかる時間を1回ストップウォッチで測り、月にSNSへ使える時間をその値で割ると、無理のない本数が出ます。たとえば1本60分かかり、月に使えるのが6時間なら月6本です。この本数で成果が見込めない媒体であれば、投稿を増やすのではなく、媒体を変えるか、制作の一部を外部に出すかの判断になります。
