インスタのフォロワーがLINEの友だちにならないとき、リンクを増やしても状況はあまり変わりません。入口をプロフィール・ストーリーズ・店頭の3つに絞り、それぞれで「登録すると何が届くか」と「これは本当にこのお店のLINEか」を一言で伝えるほうが、登録までの迷いを減らせます。この記事では、店舗がインスタからLINEの友だちを増やすときの導線の整え方と、どの入口が効いたかの数え方を整理します。
まず、この記事で整える流れを図にしておきます。
投稿やリールでお店を知り、プロフィールを開き、届く中身を知り、お店のLINEだと分かったうえで友だち追加する流れ
増えない原因は「入口の数」より「理由と安心」が見えないこと
フォロワーがLINEに登録しない理由の多くは、リンクの置き場所ではなく、登録する理由と、そのLINEが本当にお店のものかが見えないことにあります。入口がいくら多くても、押す理由と押してよい安心がなければ、お客様は先に進みません。
上位に表示されている解説記事の多くも、プロフィールにリンクを置く、ストーリーズで案内する、投稿の最後に一言添える、といった入口の作り方を共通して挙げています。そのうえで、登録されない理由として「特典が魅力的でない」「リンクが多くて迷う」「しつこく誘導して嫌がられる」の3つがよく取り上げられています。
もう1つ、店舗の側から見落としやすい点があります。2026年10月6日に編集部がGoogleで「インスタ LINE 誘導」と検索したところ、上位には誘導の方法を解説する記事と並んで、インスタからLINEへの誘導を使った詐欺への注意を呼びかける記事や質問が表示されていました。インスタからLINEへ案内されること自体を警戒している人が一定数いる、ということです。お店のLINEであっても、見知らぬアカウントに見えれば登録は後回しにされます。
この2つを分けて考えると、手を打つ場所がはっきりします。
LINEに登録されない原因を、登録する理由が見えない場合と、お店のLINEだという安心が見えない場合に分けた比較
登録されないのは、どちらが原因でしょうか
理由が見えない
- 「LINE登録はこちら」だけで中身が分からない
- 登録しても何が届くのか想像できない
- → 届く中身を一言で伝える
安心が見えない
- インスタとLINEで名前やアイコンが違う
- お店のLINEだと判断する材料がない
- → 名前と顔をそろえ、店のものだと示す
入口はプロフィール・ストーリーズ・店頭の3つに絞る
入口は、プロフィール・ストーリーズ・店頭の3つに絞ると管理しやすくなります。中小の店舗では入口を増やすほど案内の言葉がばらばらになり、どこで止まっているのかも分からなくなるためです。
| 入口 | 誰が通るか | 整えること |
|---|---|---|
| プロフィール | 投稿やリールでお店を知った人 | LINEのリンクを一番上に置き、表示名に届く中身を書く |
| ストーリーズ | すでにフォローしている人 | リンクスタンプで登録する理由を1つだけ見せる。ハイライトに残す |
| 店頭 | 来店したお客様 | 会計時に一声かけ、レジ横にQRコードを置く |
プロフィールには、リンクを最大5つまで追加できます。予約サイトやホームページなど並べたいものは多くなりがちですが、LINEの友だちを増やしたい時期は、LINEを一番上に置き、ほかはできるだけ減らします。並ぶ数が多いほど、押す先に迷う時間が長くなるためです。
出典 CNET Japan「Instagram、プロフィールに最大5つのリンクを設定可能に」(2023年4月21日)(2026年10月6日閲覧)
投稿やリールの側では、リンクを直接置くことよりも、本文の最後に「空き状況はプロフィールのLINEでお知らせしています」のように、プロフィールへ戻る理由を書いておくほうが扱いやすくなります。入口をプロフィールに集めておくと、案内する言葉を1つにそろえられるからです。
店頭は、インスタを見て来店した人を取りこぼさないための入口です。会計時の友だち追加は、来店の翌日にお礼を送るなど、その後の案内にもつなげやすくなります。会計時に追加してもらった後の送り方は「LINEで2回目の来店を促す始め方」で詳しく扱っています。
「何が届くか」を一言で伝える:クーポン以外の理由も作れる
登録してもらうための一言は、「登録すると何が届くか」を具体的に書いたものにします。「LINE登録はこちら」だけでは、押した先で何が起きるのかが分からないためです。
登録の理由としてよく挙げられるのはクーポンですが、それだけが選択肢ではありません。店舗の場合、お客様が知りたいのに、インスタの投稿では届けにくい情報が理由になります。投稿はタイムラインで流れていきますが、LINEのメッセージは登録した人のトークに直接届くので、日付や空き状況のような「今の情報」と相性がよいのです。
| 業種 | 届ける情報 | 一言の例 |
|---|---|---|
| 美容室・サロン | キャンセルで空いた枠 | 空きが出た日だけ、LINEでお知らせします |
| 飲食店 | 季節のメニューの開始日 | 新メニューの開始日を、LINEで先にお知らせします |
| 整体・教室 | 予約受付と相談 | ご予約とご相談は、LINEでそのまま受け付けます |
| 物販店 | 入荷・再入荷 | 人気の商品が入荷した日に、LINEでお知らせします |
一言には、届く頻度も添えておくと安心につながります。「月に2回ほど」「空きが出た日だけ」のように頻度が分かると、登録したら通知が増えすぎるのでは、という心配を減らせます。
クーポンを使う場合も、値引きだけを理由にしないほうが後が楽になります。値引きを目当てに追加した人は、その後の案内に関心が薄く、配信を続けるうちにブロックされやすくなることがあるためです。
怪しまれないために、店の名前と顔をそろえる
インスタからLINEに移ったとき、同じお店だとひと目で分かるように、アカウント名とアイコンをインスタと同じにしておきます。名前や画像が違うと、お客様はそのLINEが本当にお店のものか判断できず、登録をためらうためです。
最低限そろえたいのは次の3つです。
- LINEのアカウント名を、インスタと同じ店名にする(略称や英語表記に分けない)
- アイコンを、インスタと同じロゴや店舗の写真にする
- あいさつメッセージの最初に、店名とインスタから来た人へのお礼を書く
もう一歩進めるなら、LINE公式アカウントの「認証済アカウント」の申請を検討します。認証済アカウントになると認証バッジが付き、LINEヤフーの審査を通過したアカウントであることをお客様が確認できるようになります。審査では店舗の実在や申込者の本人確認が行われ、期間は5〜10営業日と案内されています。個人で情報発信するアカウントは対象外で、アカウント名には店舗の正式名称を設定するよう求められています。
出典 LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントの『認証済アカウント』とは?」「『認証済アカウント』審査の目的と確認ポイント」(2024年8月5日)(2026年10月6日閲覧)
ポイント
認証済アカウントの審査では、申請後にアカウント名を変更できないと案内されています。インスタと名前をそろえる作業は、申請の前に済ませておくと手戻りがありません。
どの入口が効いたかは、入口ごとにURLを分けて数える
入口を整えたら、入口ごとに別の友だち追加URLとQRコードを発行し、どこから増えたかを数えます。3つの入口のどれが効いているかが分からないと、次にどこを直すかを決められないためです。
LINE公式アカウントの管理画面には、「友だち追加経路を設定」という機能があります。経路の名前(例:インスタのプロフィール、ストーリーズ、店頭)を入れて設定すると、その経路専用のURLとQRコードが発行され、そこから追加した人を分析画面の「追加経路」で確認できます。期間は最大90日まで選べます。
出典 LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 友だち追加ガイド」「分析 - 友だちマニュアル」(2026年10月6日閲覧)
ここで知っておきたい制約があります。選んだ期間内に、その経路で20回以上の友だち追加がない場合、数値は表示されず「その他」にまとめられます。プライバシーへの配慮によるもので、日ごとのグラフも、その日に20回以上の追加がない日は0として表示されます。
追加数がまだ少ない店舗では、経路を分けても数字が見えないことがある、ということです。その間は、入口を変えた日付をメモしておき、変える前と後の2週間で友だち数がどう変わったかを比べる方法を併用します。あわせて店頭では、会計時に「インスタを見て来られましたか」と一言聞いて控えておくと、インスタから来店した人がどのくらいいるかの手がかりになります。
インスタで見られている数と、来店や予約につながった数を分けて見る考え方は、「フォロワーが増えても売上につながらない理由」でも扱っています。
ここで一度、自店で確かめてみてください。今のLINEの友だちのうち、インスタから来た人が何人いるか、すぐに答えられるでしょうか。答えられない場合は、まずプロフィール用のURLを1本だけ分けて発行するところから始めると、次の判断がしやすくなります。
まとめ:入口は3つ、一言は1つ、名前はそろえる
インスタからLINEの友だちを増やすときに最初に整えるのは、入口の数ではなく、登録する理由と安心です。入口を3つに絞り、届く中身を一言で伝え、お店のLINEだと分かる見せ方にそろえます。
進め方をもう一度整理します。
- 入口はプロフィール・ストーリーズ・店頭の3つに絞り、プロフィールではLINEを一番上に置く
- 「登録すると何が届くか」と頻度を一言で伝える。理由は値引き以外でも作れる
- LINEのアカウント名とアイコンをインスタとそろえ、店舗なら認証済アカウントの申請も検討する
- 入口ごとに友だち追加URLを分け、数字が出ない間は日付の前後で比べる
なお、ここで挙げた手順は登録までの迷いを減らすためのもので、友だち数の増加を保証するものではありません。業種やフォロワーの状況によって効き方は変わりますので、入口を変えた日付と友だち数を並べて記録しておくと、次に何を直すかの材料になります。
インスタ側で来店につながる見せ方から整えたい場合は「インスタが来店につながらない時の直し方」を、SNS全体の進め方から確かめたい場合は「SNS集客は何から始める?中小企業の進め方」をあわせてご覧ください。
よくある質問
インスタのプロフィールのリンクは、LINEだけにしたほうがよいですか?
LINEの友だちを増やすことを当面の目的にするなら、LINEを一番上に置き、ほかのリンクはできるだけ減らす形をおすすめしています。プロフィールにはリンクを最大5つまで追加できますが、並べるほど押す先に迷いやすくなるためです。予約サイトやホームページを外せない場合も、LINEの表示名に「空き状況のお知らせ」のような届く中身を入れておくと、ほかのリンクと見分けやすくなります。
友だち追加の特典は、クーポンにしないと増えませんか?
クーポンは分かりやすい理由の一つですが、それだけが選択肢ではありません。空き枠や当日の予約状況のお知らせ、LINEからの予約受付、季節のメニューの先行案内など、お客様にとって登録しておく意味がある情報なら理由になります。値引きを入口にすると、値引きを目当てに追加した人が多くなり、その後の配信でブロックされやすくなることもあります。まずは値引き以外で1つ理由を作り、反応を見てから足すかどうかを決めると判断しやすくなります。
認証済アカウントにしないと、LINEに登録してもらえませんか?
未認証のアカウントでも友だち追加はしてもらえます。ただ、認証済アカウントになると認証バッジが付き、LINEヤフーの審査を通過したアカウントであることをお客様が確かめられるようになります。店舗の実在や申込者の本人確認を含む審査があり、期間は5〜10営業日と案内されています。インスタ経由で初めてお店を知った人にとっては安心材料になるため、店舗であれば申請を検討する価値があります。
どの入口から友だちが増えたのかは、無料で分かりますか?
LINE公式アカウントの管理画面の「友だち追加経路を設定」で、入口ごとに別のURLとQRコードを発行すると、分析画面の追加経路で入口別の人数を確認できます。ただし、選んだ期間内にその経路で20回以上の友だち追加がない場合は数値が表示されず「その他」にまとめられます。追加数が少ないうちは、入口を変えた日付をメモしておき、その前後の友だち数を比べる方法を併用すると判断しやすくなります。
